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NOTES白書

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  • 緒言
  • NOTESの概念
  • NOTES研究会(japan notes)
  • NOTES基礎研究に関する指針
  • NOTES臨床応用に関しての倫理規定
  • 今後の展望

緒言

  NOTES (Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)は体表面に創を作らない夢の低侵襲手術として近年注目を集めている、全く新しい治療概念である1),2)(図1)。体表を切開し、体腔内へ到達する従来の外科手術とは異なり、軟性内視鏡を用いて口や肛門から消化管経由で、あるいは膣や膀胱などを経由し腹腔内へと到達する。腹腔内観察、肝生検などの診断的手技から虫垂切除、胆嚢摘出、卵管結紮、卵巣摘出、胃小腸吻合など多様な手技への応用の可能性が報告されている。
   Johns Hopkins大学のA.N.Kallooらが軟性内視鏡を用いて経胃的腹腔内観察のfeasibility studyを2004年に発表して以来、この分野の研究・開発は全世界規模で盛んに行われている3)。P. Swainのチームは、経胃ルートによる胆嚢摘出、胃小腸吻合、リンパ節切除や消化管全層切除などのfeasibility studyを報告4), 5), 6)、ついでMayo ClinicのC. Gostoutらはsubmucosal tunneling approachという手法を壁切開に用い、経食道ルートによる縦隔鏡や経胃ルートでの胆嚢摘出を報告した7), 8)。最近では腹腔鏡下手術とNOTESの手術侵襲を検討した無作為化比較試験など、よりエビデンスレベルの高い報告が増えている9),10)。最初に臨床応用したのは、インドのN.Reddyらで2005年に初めて経胃的虫垂切除を行った。数例に施行したことを学会で報告しているが、正式な論文発表はなされていない。その後、診断的NOTES11)やPEG“Rescue”への応用12)などが相次いで報告されたのに続き、2007年にはアメリカのM. Besslerのチーム、LL. Swanstromのチーム、フランスのJ. Marescauxのチームによる経膣的、あるいは経胃的NOTES胆嚢摘出術が行われた13),14)

   NOTESは21世紀の新しい低侵襲治療として期待され、世界中で臨床導入が始まりつつあるが、腹腔内感染の原因となる消化管などの穿孔を伴う手技であり、安全性を確認しながら慎重に臨床応用を進めていかなければならない15)。さらに、その低侵襲性や有用性を十分に評価し、NOTESが有用な疾患や病態も明らかにしていく必要がある。NOTES二学会合同委員会およびNOTES研究会はこのような背景を考慮し、本邦におけるNOTES研究を効率的に促進し、安全に臨床導入していくために本研究指針を作成した。
NOTES
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notesの概念

 NOTESの概念および和名
  NOTESとは、内視鏡を自然孔(口、肛門、膣など)から挿入後、管腔壁を経て体腔内に到達し、体表面を切開することなく診断・処置を行う手技であり、和名を「経管腔的内視鏡手術」とする。体表に留置したポート等の経皮経路を通じて、腹腔鏡や胸腔鏡等の体腔鏡や、いわゆる鏡視下手術器具を挿入して補助を行う場合はHybrid NOTESと表記し、和名は「経皮経路併用経管腔的内視鏡手術」とする。これに対して、経皮経路による補助を一切用いない真のNOTESをPure NOTES(完全経管腔的内視鏡手術)と表記することとする。また従来の腹腔鏡下手術や胸腔鏡下手術で処置の大半を行い、経管腔的内視鏡をその補助として用いた場合はEndoscopy-assisted Laparoscopic (Thoracoscopic) Surgery(軟性内視鏡補助下腹腔鏡(胸腔鏡)下手術)と表記することとする。

 内視鏡的全層切除術
   軟性鏡を用いて、消化管壁全層を治療目的に切除する方法が内視鏡的全層切除術(EFTR)であるが16)、消化管壁を全層で切除するということは必然的に管腔壁の体腔側に操作を加えることになるため、この治療手技をNOTESに包括することとした。今後の日本独自のNOTES展開を考慮するうえでも非常に意義のある、重要なことであると考える。体腔内へ到達するためのルートとしてのみ管腔壁を穿孔・穿破させるのではなく、治療を目的とし消化管壁全層を切除し、結果生じた穿孔部から体腔内へ到達し、センチネルリンパ節の観察や、その切除まで軟性鏡で行う一連の操作が、NOTESにおけるEFTRの概念である。

 体腔内への到達経路による分類
1)経食道的(Transesophageal)内視鏡手術
2)経胃的(Transgastric)内視鏡手術
3)経大腸(直腸)的(Transcolonic/Transrectal)内視鏡手術
4)経膣的(Transvaginal)内視鏡手術
5)経膀胱的(Transvesical)内視鏡手術
に分類する。
臍経由(Transumbilical)の内視鏡手術をNOTESとする報告もあるが、臍は厳密にはNatural Orificeではなく、NOTESの概念からは除外するものとする。 以上は現段階でのNOTESの解釈である。今後の技術の進歩や臨床例の増加によりNOTESの概念は変わる可能性もある。研究会では適宜、この点に関する検討を行い、必要に応じてNOTESの概念を再考していくこととする。 付記)“transulumenal”と“transluminal” “transulumenal”と“transluminal”は、ほぼ同義で使用されている単語であるが、本来その語源は異なり、NOTESを表す文脈内で“経管腔的”という意味のもとに使用されるときには、管腔を意味する“lumen”を語源に持つ“translumenal”を用いることとする。
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notes研究会(japan notes)

  アメリカでは2005年にSAGES (Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons)とASGE (American Society of Gastrointestinal Endoscopy)の合同委員会、NOSCAR (Natural Orifice Surgery Consortium for Assessment and Research)が設立され (NOTESの大きな特徴No scar!になぞらえ命名)、今後の研究に対する指針を盛り込んだWhite paperの作成17),18)や年一回のInternational Conference on NOTESの開催など、世界をリードすべく活動を続けている。本邦では2006年5月に日本消化器内視鏡学会と日本内視鏡外科学会によるNOTES二学会合同委員会(表1)とワーキンググループ(JWNOTES: Japan Working group for NOTES)が発足し、検討を進めてきた。NOTESをさらに進展させ安全に臨床導入していくために、2007年11月にNOTES研究会(Japan NOTES)が設立され、第1回研究会が行われた。NOTES研究会の目的は、Team Activity、Science First、Prospective Human Study under IRB(Institutional Review Board)を柱とした研究基盤を確立しNOTES研究を促進するとともに、関連情報や研究結果を共有化させることにより日本独自のNOTES発展に寄与していくことにある。会員は本会の目的に賛同する医師・医学研究者並びに団体とし,個人会員,施設会員,賛助会員にわける.個人会員は以下の資格を有し(※1)個人資格で入会したもの,施設会員は以下の資格を満たし(※2)施設代表者をもって入会したもの,賛助会員は本会の事業を援助することを主な目的として入会したものとする.
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notes基礎研究に関する指針

  NOTESのような新しい外科領域の開発段階では、解剖学的あるいは生理学的に人体に類似したブタやイヌなどの大動物が動物実験モデルとして頻用される。しかし、大動物は倫理性・経済性の両面から実験での使用数が制限される。不要な重複を避け各施設で効率的に研究が行われるためには、実験から得られた貴重な経験は無駄なく共有される必要がある。NOTES関連実験は、全世界的には2000年初頭より行われ始めており、現在では2005年に発表されたNOSCARによるWhite Paperに基づく基礎研究が求められている17),18)。NOTES関連の基礎研究では本邦でもこれらの指針に基づき、臨床応用の裏付けとなり、臨床に還元し得る基礎研究を遂行し、国際的に発信していく必要がある。また本邦では長年にわたり脈々と続いてきた早期消化管悪性腫瘍に対する内視鏡的治療の歴史もあり、この分野での発展に貢献できるようなNOTES研究も推進していくべきである。 質の高い基礎研究を行うためには研究の科学性および倫理性が定期的かつ客観的に審査される必要がある。そのため、今後のNOTES関連の研究は、例え動物実験であっても各施設のIRBやIACUC (Institutional Animal Care and Use Committee)による審査を経て実施されることが必須となる。このような手順を経ることで基礎研究の科学性および倫理性を高めることは、NOTESという新しい手術法が安全で有用な治療法として確立され、社会に受け入れられることに貢献するものと考える。

表1  NOTES二学会合同委員会
日本内視鏡外科学会
北野正剛大分大学長
田中淳一昭和大学藤が丘病院消化器・一般外科
北川雄光慶応義塾大学医学部外科
日本消化器内視鏡学会
田尻久雄東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
上西紀夫公立昭和病院 院長
峯 徹哉東海大学医学部内科学系消化器内科学

 NOTES臨床応用へ向けての課題
  NOTESでは腹壁に創ができない代わりに、穿孔させた臓器を確実に縫合することが必要である。よって信頼できる内視鏡的縫合デバイスの開発および縫合法の研究がNOTESの安全性確保のためには必須となる。また、隣接臓器を損傷せずにいかに安全に腹腔内へアプローチするか、腹腔内感染をいかに予防するかなども大きな課題である。これらの課題をクリアするためには更なるデバイスの開発、改良が必須であるものの、穿孔部を直視下で縫合可能な経膣アプローチや、いわゆるHybrid NOTESなどの方法を用いれば臨床応用はかなり現実的なものとなる。NOTES実現へ向けての主な課題を以下に述べる17),18)
1) 安全な体腔内へのアクセス
縦隔内や腹腔内への到達ルートには、経食道・経胃・経大腸・経膣・経膀胱などが考えられるが、現時点では経胃あるいは経膣ルートが最も有望で、標的臓器によりルートを考慮する必要がある。最初の穿刺をいかに安全に行うかが重要であり、胃瘻造設技術の応用も有用と考えられる。
2) 感染予防
消化管や膣からアプローチするため、腹腔内は細菌に汚染され感染の可能性があるものの、NOTESに特有な感染としてどのようなことが起こるかは明らかでない。そこで今後の研究は、まず、NOTES時の腹腔内細菌叢の同定、動物モデルでの感染の特徴、感染のルートと機序、胃炎・H. pylori感染やproton pump inhibitorの影響などの解明に重点を置き、臨床においては感染例の詳細の登録や腹腔内培養の標準化が必要である。
3) 簡便で確実な縫合機器の開発
縫合機器の開発はNOTESを行う上での重要な課題の一つであり、既存の機器に加えて新しい機器の開発が必須である。EndoCinchTM(Bard)、EagleClawTM(Olympus)、NDO PlicatorTM(NDO)、など既存の様々なフレキシブル内視鏡用の縫合機器に関して、その利点・欠点を熟知したうえで、今後の機器開発に生かしていかなければならない。理想的な縫合機器が兼ね備えるべき条件として、@生体適合性を持つ素材を用い、簡単に使え、操作時間も短いもの、Aいろいろな場所、臓器で使用可能で適応が広いもの、Bコストも安く、ディスポーザブルであること、C全層の縫合が可能、などの要素が重要となる。現時点では、T-barを用いたものが最もシンプルな消化管壁閉鎖機器と考えられている。
4) 体腔内でのオリエンテーション
内視鏡反転時の上下逆転や腹腔内での水平軸の乱れが問題点として挙げられている。解決には、水平ラインや上下方向を示す目印を画面に出すことやコンピュータによる水平ラインの調整、複数のカメラの使用が有用との意見がある。また、スコープやその先端の位置を把握するためには、腹腔内全体を見せる別のカメラやスコープの形状を示すセンサーなどの必要性も検討に値する。
5) 術中偶発症への対処
麻酔、手技そのもの、術後長期にわたる影響 などの検討が必要である。 NOSCARでは、“Complication”という用語は避け、Incidents とAdverse Events (AE)とを区別し、後者を取りあげるべきとした(AEとは治療計画や転帰に重大な影響を及ぼす事象を指す)。NOSCARと同様に本邦においても、NOTES症例をすべて研究会に登録してデータを集積し、問題点を整理して術中偶発症や合併症に対する改善方法を検討していかなければならない。
6) Multitasking Platformの開発
NOTESのためのplatformとしてどのような技術 が必要とされるのかを検討しなければならない。当面、@術中の軟性内視鏡の動作を安定させるための硬度可変機構等の技術、 Atriangulationを可能にするような器具操作機構、B手術器具の操作系から独立した視野、の3つを重点的に検討する必要がある。
7) NOTESのトレーニング
トレーニングのためのアニマルラボや経胃・経膣的なトレーニング用のモデル、そしてNOTES用のvirtual realityトレーニングシステムを構築する必要がある。また、腹腔鏡手術手技や内視鏡をトレーニングした上でのadvanced fellowshipも検討課題である。

 賛助会員の施設を利用した基礎研究に関して
  賛助会員の施設の利用には限りがあり、実験に際してはその費用などを含めて賛助会員の負担も考慮されなければならない。また前述の如く、大動物を用いた基礎研究は倫理面からも使用数の制限があるため、不要な実験の重複を避け、本邦のNOTES発展のために効率的に研究が行われる必要がある。そこで、賛助会員の施設を利用した基礎研究は、原則として以下の細則に基づき、本研究会に研究内容を登録後に行うこととする。ただし企業と研究者のconfidentialityは尊重されるべきであり、各社の開発事情に沿った独自のアイデアに対しては各企業がこれまでどおり個別に対応していくこととする。
(1)新しい基礎研究計画は前述の“NOTES臨床応用に向けての課題”に沿って立案する。上記の事情を考慮し、現時点ではNOTES手技の試みやトレーニングなどを目的とした施設利用は控えることとする。
(2) 賛助会員施設や機器の使用に関しては原則、一定の施設利用料を負担する。利用料は各社・施設で別途決定する。
(3) 研究の登録 別紙の登録用紙に必要事項を記入の上、研究会事務局に送付する。封書には朱書で基礎研究登録書類在中と記載する。基礎研究計画登録委員会で研究の内容を確認後、申請施設と当該賛助会員に登録確認の通知をする。
(4)申請された基礎研究計画の取り扱い 研究内容は研究会で定められた基礎研究計画登録委員会の委員のみが開封審査し、研究計画の守秘は厳重に保たれる。賛助会員施設を利用した基礎研究では、実験終了後に「実験報告書」に実験内容を記入の上、研究会事務局に提出する。また登録研究はNOTES研究会、日本消化器内視鏡学会、あるいは日本内視鏡外科学会などで”登録研究発表”として公表することが望ましい。
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◆参考文献◆

1) 池田圭一・他:NOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)の最前線.臨牀消化器内科,22:1521-1525,2007
2) 安田一弘・他:世界におけるNOTES (Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)研究の現況.日本内視鏡外科学会雑誌,12:473-479,2007
3) Kalloo AN, Singh VK, Jagannath SB, et al.: Flexible transgastric peritoneoscopy: a novel approach to diagnostic and therapeutic interventions in the peritoneal cavity. Gastrointest Endosc. 60:114-7, 2004.
4) Park PO, Bergstrom M, Ikeda K, Fritscher-Ravens A, Swain P. Experimental studies of transgastric gallbladder surgery: cholecystectomy and cholecystogastric anastomosis (videos). Gastrointest Endosc. 61: 601-6, 2005.
5) Bergstrom M, Ikeda K, Swain P, Park PO. Transgastric anastomosis by using flexible endoscopy in a porcine model (with video). Gastrointest Endosc. 63: 307-12, 2006.
6) Ikeda K, et al.: Endoscopic full-thickness resection with sutured closure in a porcine model. Gastrointest Endosc ,62: 122-129, 2005.
7) Sumiyama K, et al.: Transgastric cholecystectomy: transgastric accessibility to the gallbladder improved with the SEMF method and a novel multibending therapeutic endoscope. Gastrointes Endosc ,65: 1028-1034, 2007.
8) Sumiyama K, et al.: Transeshophageal mediastinoscopy by submucosal endoscopy with mucosal flap safety valve technique. Gastrointest Endosc, 65: 679-683, 2007.
9) M. H. Whiteford, et al. Feasibility of radical sigmoid colectomy performed as natural orifice translumenal endoscopic surgery (NOTES) using transanal endoscopic microsurgery. Surg Endosc. 21:1870-4, 2007
10) Y. Mintz, et al.: Dual-lumen natural orifice translumenal endoscopic surgery (NOTES): a new method for performing a safe anastomosis. Surg Endosc. 22:348-51, 2008
11) Jeffrey W. Hazey, et al.: Natural-orifice transgastric endoscopic peritoneoscopy in humans: Initial clinical trial. Surgical Endoscopy. 22;16-20, 2008
12) Jeffrey M. Marks, et al.: PEG “Rescue” a practical NOTES technique. Surg Endosc. 21:816-9, 2007
13) Marescaux J, et al.: Surgery without scars: report of transluminal cholecystectomy in a human being. Arch Surg. 142: 823-6, 2007.
14) R.Zorron, et al.: NOTES transvaginal cholecystectomy: preliminary clinical application. Surgical Endosocpy. 22:542-7, 2008
15) Buess G, Frimberger E. The dirty way to the gallbladder. Endoscopy, 39: 893-4. 2007.
16) Ikeda K, et al.: Endoscopic full-thickness resection: circumferential cutting method. Gastrointest Endosc, 64: 82-89, 2006.
17) ASGE/SAGES Working Group on Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery White Paper October 2005. Gastrointest Endosc. 63: 199-203, 2006.
18) ASGE/SAGES Working Group on Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery White Paper October 2005. Surg Endosc. 20:329-33, 2006
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notes臨床応用に関しての倫理規定

  人を対象とする医学研究及び医療行為(以下「研究」とする)は、患者の権利を最大限に保障すべきとするヘルシンキ宣言(2000年エジンバラの総会で修正)の趣旨に沿って、厳格な倫理的配慮のもとに行われる必要がある。そのため、本邦でNOTESを臨床応用する際は、研究者が所属する施設の倫理審査委員会(IRB)による審査を受け、承認を得なければならない。
  さらに、NOTES研究会では本邦におけるNOTES臨床導入を安全に進めるために、各施設のIRB審査前に研究の安全性と妥当性を事前評価する臨床研究評価委員会を設けることとした。専門的見地から研究計画を評価・確認することにより、各施設でのIRB承認を円滑に進め、かつ臨床応用の安全性を高めることを目的としている。評価の依頼を受けた研究計画は、専門的見地から倫理的、科学的、社会的に検証され、研究遂行者に対して安全性や妥当性に関する専門的な助言も行う予定である(図参照)。

 NOTES臨床応用に際しての申請手順

notes臨床応用に際しての申請手順

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今後の展望

体壁を損傷しないNOTESは、術後疼痛の軽減、創感染や創ヘルニアなどの手術創に関する合併症の予防や手術侵襲の軽減をもたらすとともに、美容上の観点からも患者QOLの向上や医療費削減に貢献するものと期待される。また、NOTESのために開発された機器や技術は、従来の内視鏡治療や内視鏡外科手術にも応用可能であり、内視鏡治療全般の進歩にも寄与すると考えられる。  本研究指針により本邦のNOTES研究が促進され、安全な臨床導入が円滑に進み、新しい低侵襲手術手技であるNOTESの確立に向けた多くの研究成果の発表を期待する。 このページのトップへ

[追記]
NOTES研究会役員
[特別顧問]
日本消化器内視鏡学会理事長丹羽寛文
日本内視鏡外科学会理事長北島政樹
[代表世話人]
大分大学長北野正剛
東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科/内視鏡科田尻久雄
[常任世話人]
公立昭和病院院長上西紀夫
慶応義塾大学医学部外科北川雄光
富士宮市立病院名誉院長木村泰三
東京医科歯科大学腫瘍外科学杉原健一
学校法人東邦大学 理事長炭山嘉伸
谷川記念病院理事長・院長谷川允彦
東海大学医学部内科学系消化器内科学峯  徹哉
NOTES研究会白書作成ワーキンググループ
池田圭一(東京慈恵会医科大学内視鏡科)
炭山和毅(東京慈恵会医科大学内視鏡科)
斉田芳久(東邦大学医療センター大橋病院第三外科)
中島清一(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学)
安田一弘(天心堂へつぎ病院 外科)
北川雄光(慶応義塾大学医学部外科)
田中淳一(昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科)
峯 徹哉(東海大学医学部内科学系消化器内科学)
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